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しかし、現段階では、遺伝子操作に対して、まだまだ慎重な姿勢をとるべきだと考えている。 バランスのよいブレンドが味の決め手毎日毎日、トマトジュースばかり飲んでいるおかげで、ひと口飲んだだけで、どこのメーカーの製品かわかるようになった。
味、香り、喉ごしから、あ、これはデルモンテ、これはキリン、これはウチのだなと、口に含んだだけで瞬時にわかる。 おもしろいもので、トマトジュースとひと口にいっても、その味はメーカーごとにちがう。
どのメーカーも生き残りをかけてシェア拡大に必死だから、消費者にウケる独自の味をつくりだそうと、それぞれ工夫をこらしているのだ。 青くささが強いものもあれば、あまりにおわないものもある。
さらりとしているものもあれば、どろりとしたものもある。 中には加熱が強すぎて、なにやら薬くさいものさえある。
注意深く味わってみれば、その味は千差万別だ。 とはいっても、原料のトマトに大きなちがいはない。
どこのメーカーも懸命に品種開発をしてはいるが、味、収量、保存性のすべてにおいて圧倒的に優位な加工用トマトなど存在しない。 だいたいどれも似たりよったりなのだ。
では、味のちがいはどこから生まれるのか。 まずは、トマトのブレンドのしかたがある。
意外と知られていないことだが、トマトジュースは、何種類かのトマトをブレンドしてつくられている。 ブレンドコーヒーは、モカ、ブラジル、グァテマラといった豆を、それぞれの味を引きだしながら、もっともおいしくなるように混合したものだ。

トマトジュースでも、メイン品種を40パーセント、別の品種を30パーセント、さらに別の品種を20パーセントといったぐあいに、さまざまな品種をブレンドしているのだ。 トマト以外の材料を使わないトマトジュースだからこそ、そのブレンドの配分にはメーカーごとに工夫がこらされている。
わが社の場合、6品種程度を使用している。 ブレンドする理由は、味、粘度、色のバランスをとるためだ。
トマトジュースはこの3つがうまくバランスされていないと、おいしくない。 味がよくてもねばり気が足りないと、青くさいだけの赤い水になってしまうし、逆にねばり気が強すぎると、トマトピューレになってしまう。
むろん色はすっきりとした新鮮な赤にしたい。 どんよりと濁った赤では、消費者にソッポを向かれてしまう。
一品種だけで誰をも納得させるすばらしい味、粘度、色を出せるトマトがあれば理想的だが、そんなトマトは存在しない。

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